帯に短し襷に長し

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蟹人7

現代!
それは情報に溢れた『密林』!
そこから出てくるのは、ソースの無いデマカセの嵐!
我々は、かくして情報の海から逃れる為、TVにかじり付くこととなった……

蟹だと思ったら
人だった
その7
~TVこそ至高~


『今!巷でミミズゴムが大人気!』
鬼の首でも取ったかのようにはしゃぎまくるキャスター、タレント。
『ミミズリボン!チョーキモカウィイデスヨネー』
女子高生が、実際に髪結いに使っている姿が映る。彼女はポニーテールに緑のミミズゴムを使っている。
本物のミミズよろしく、あの細長いボディをゴムの質感と模様で見事に再現している。昆虫好きにはたまらない。

『皆さんもつけてみて下さい~』
『わ~なにこれ~』
『あ!似合ってますよ~ほらほら~』
タレント達が実際につけてみて、それをスタジオ観覧の客に見せる。
客からの大歓声にタレントは満面の笑み。

「私もこれほしー」
真田が画面に入り込むんじゃないかという勢いで、TVを凝視する。
「おいおい、ミミズの髪ゴムなんかつけても良いことないぞ」
自分がすかさず横槍を入れる。
「いいじゃん、買っちゃえつけちゃえ。どうせ川島が払ってくれるから」
「自分の金で払え!それぐらい」
いまだに生活を自立させようという意思が全くない稲田。早く職に就け。
「やったープレゼントだーありがとう」
全く感情がこもっていない感謝をされても、ちっとも嬉しくない。

それにしても、TVは性懲りにもなく流行アイテムを紹介したがる。
ことあるごとに『最新』『最近話題』『一押しトレンド』『一発屋』など、流行が無限に押し寄せてくる。確かに紹介されるものは、それぞれ魅力的で使い勝手の良いものも多いが、たまに周囲を見渡しても、それ使ってねーよみたいな妙な孤立というか、違和感を感じることがある。
まあ、自分が納得すれば済む話だが。

「早く~買いにいこうよ~」
真田が自分を外出させようと煽る。しかし、当の真田は『DUST&NEET』とでっかく書かれたヨレヨレTシャツとパンツ一丁という素晴らしい恰好をしている。
「なら、早くまともな服に着替えなさい」
「え、これまともじゃん!最新のトレンドだよ」
真田は体を左右にひねって駄々をこねる。
「そんなのが流行ってたら警察何万人いても足りないよ」
自分が、真田のクロゼットへ背中を押して誘導する。
「それにしても、良くこの短期間で増えたな……」
真田が段ボールが入れられて移住してきた日から20日経った。
どこから買ってきたのかよく分からない服が、自分の寝室の窓際左端の角に無造作に置かれている。
「これ、放っておいたらカビ生えるんじゃないか?」
「大丈夫!塩素消毒したから、バッチリ」
全然バッチリではないのだが。
「とりあえず、適当に上下着て、外出るぞ」
「やったー!」
真田は、興奮して辺り構わず服を脱ぎだす。
肉眼で確認できたのは、たわわに実った果実たちだった。
「おい!いきなり脱ぎだすな!露出狂か!」
「良いじゃん川島だし」
「良くな~い!!!!!」
咄嗟に顔を覆った指の隙間から、淡い光が差し込む。
レースのカーテンは閉められ、真田を幻想的に包み込む。
「そうマジマジと見られるのも恥ずかしいんだけど」
しまった!あろうことかこの自分が真田に……あの段ボール女の真田に見惚れてしまうとは……。一生の不覚。
「ご、ごめん。覗き魔変態はクールに去ります」

何分か経ち、真田が部屋から出てきた。
上は白い花柄があしらわれたブラウス、下は鈍色のダメージの入ったデニム。
「良い」
稲田が親指を立て、太鼓判を押す。
「良かったー!」
真田が褒められたことを良いことに、飛び跳ねまわる。
「あんまり騒ぐなよ……下大家だし」
「「すいません」」
なぜか二人に謝られた。

そんなこんなで、自分と真田の実質デートということになった。
近くの雑貨屋『ガフト』におそらくお目当てのミミズゴムがあるだろうと仮説を立て、そこへ向かうこととした。
「うわ~外出たのって、久しぶりかも……」
真田が感慨に耽っている。そこで耽られても困る。
「いや、外出て働けよ素直に」
「ダメだよ、どうせ面接行っても断られるだけだし」
「なんでそう決めつける?」
「だって、『自己紹介の紙が無いと面接できない』って言われて追い返されるんだもん」
おいおいおい。履歴書持ってかないとか……TVでやってるファットマミィじゃあるまいし。
「そりゃそうだろ。それ無いとあんたがどんな人間か、面接する人もわかんないでしょ?」
「私には、この口がある!話一本で勝負できるもん!」
「なら、今までの面接全部受かってるはずだが」
「……」
真田は、『ガフト』に着くまで黙ったままとなった。

『ガフト』到着。
この雑貨屋『ガフト』には、だいたい最近流行と謳われたものならほぼ全て網羅している。
つい最近話題になった『キノコすらいむ』『ゾンビパンダ』『光るハゲのおっさん』などのキャラクターグッズが惜し気も無く店頭の最前列に鎮座している。恐るべきTVの影響力。
そして、お目当ての『ミミズゴム』というと……
「え~!即日完売?!」
やはりTVで紹介されたからか、人気は凄まじく、紹介後すぐ人が怒涛のように押し寄せ、あっという間に陳列棚が砂漠と化したという。
「残念だったな。また買いに来よう」
「やだ!絶対やだ!買う!ミミズゴム……」
真田はその場で座り込んで、必死のアピール。子供かよ!
「ほらほら、大きなお姉さんは家で大人しく求人漁りしましょうね~」
「嫌だ!働きたくない!」
「駄々こねてないで、帰るぞ!」
自分は必死に真田をお姫様抱っこで抱え上げ、家まで持ち帰った。
その日は、意気消沈したのか、黙ってインターネットで職漁りを続けた。

そして、翌日。

『見て下さい!この艶やかさ!』
『うわあ……一流デザイナーが作っただけのことはありますね~』
『今、巷で話題!『しゃべるウナギ』ストラップ!芸能人も激ハマり!』
また性懲りも無く、バラエティ情報番組で、流行グッズを紹介している。
「ん~んん~……」
真田にはアイマスク耳栓猿轡で、情報操作をしばらく続けることとする。
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蟹だと思ったら 人だった その6~グレートなオポチュニティ~

おはようです。
今朝もいい天気です。

蟹だと思ったら
人だった
その6


今日も性懲りも無しに、求人票を眺める二人。
新聞のチラシ、求人のサイト、2ちゃんねるなど、あらゆる情報源を駆使し、探し続ける、
だが、二人が満足のいく仕事が無いと言い張るのだ。これだけ調べているんだ、一つくらいは目ぼしいものがみつかるはずだろう。
「近頃は国際化が進んでるからな……、英語が出来ないと雇ってくれないんだよな」
稲田が悪態をつく。そりゃそうだ、総合商社のページしか見てないもんな。
「やっぱり蟹のふりして生きてくのが一番だったのかな?」
真田は段ボールから出てきてしまったことを悔やんでいる。
「いやいやいや、いくらなんでもそれは無理だろ」
自分はシンク台を先日買った激落ちくんで、必死に溜まった汚れを磨いていた。
「そういえば私って、どうやって配達されたのかな?」
「いや、俺に聞かれても」
「記憶がないのよね。なんで段ボールに入ったのかとか、その周辺の記憶がないんだよね」
つまり記憶喪失。そう言いたいのだろう。
だが、稲田のことははっきり覚えているので、仮死剤かなにかで眠らされていたと考えるのが筋だろう。
「まあ、自分はただ、『天国市場』で蟹セットを頼んだだけですが、何か?」
「もしかしたら、その会社がアヤシイんじゃないか?」
唐突に、嬉々と稲田が会話に割り込む。
「だって、商品取り扱ってるところが梱包とかしてるんじゃないの?」
「確かにそうかもしれないが、大体は直送とかじゃないかな」
「いやいやいや、それは無い。最低でもチェックはするだろ」
いつまで経っても結論は出そうに無かったので、直接『天国市場』内のサイトから調べてみることにした。

『天国市場』。今や日本のオンラインショッピングの雄ともいわれるサイトだ。『天国市場』には数多くの店舗が出店し、そこで商売を行う。色々な企業が店を開いているということで、取り扱う商品の種類は豊富だ。
「へ~!こんなサイト、あったんだ」
真田は目を輝かして、『天国市場』を閲覧している。マウスとキーボードが、目にも止まらぬ速さで動き、タップし続けられる。
そして、あるサイトに辿り着く。
「お!『天国市場』が求人やってるよ~」
真田が、冷蔵庫から取り出した腐りかけのヨーグルトを手づかみで食べている稲田に呼びかける。稲田は食べていることがバレると思ったのか、おもむろに冷蔵庫に隠す。
「ま、マジ?」
「ほんと。ほら、見てみて!」
真田が指差すところには、さわやかな職場風景や社長のありがたいお言葉が掲載されていた。
「さて、どんな職種を募集しているのかな……、あれ?」
真田がページを閲覧しているうちに、あることに気づく。
「『グレートなオポチュニティ』って、何?」
「は?日本語でおk」
「なんか、職種紹介で『レアなエクスペリメントをゲット出来るグレートなオポチュニティです』って真顔で書かれてる」
自分も気になったので、そのページを覗く。
そこには、日本語なのか英語なのかよく分からない独自の言語が展開される、不思議な世界が広がっていた。
「なんだ、これは?」
「きっと英語かぶれの人が書いたんだよ」
なぜ、ルー語みたいにわざわざ書く必要があったのか?恰好をつけたかったのか?真意は書いた本人に聞いてみないと分からないので、何ともいえないが、日本語のページなんだから、普通に日本語で書いていいんじゃないか?とは思ったが、何か意図があるのだろうと結論付けた。
「とりあえず、全文読んでみるか」

『トゥデイ、ジャパンではデフレーションがエスカレーションしてイング。リアルなシンキングがキャンなヤングマンがトゥモローをメイキングをドゥするのです。さあ、ユーのドリームに向かってネバーエンディングストーリー!』

「何が言いたいんだ?」
稲田は、鼻をほじりながらなめた口をきいている。
「最後なんか映画の名前だぞ」
「私じゃ、ここ、就職出来ない……」
大丈夫。就職出来るとは思っていない。
「今の求人はみんなこんな感じなのか?」
自分が、不意に切り出す。
「え~と、う~ん、みんな、こんな感じってわけじゃないけど、そういう会社は増えてるよ」
「グローバル化、グローバル化っていっても、何も社内の言語をルー語にしろとはだれも言ってないだろ」
そうか。最近国際化が叫ばれているから、社内の言語を英語に統一し始めているのか。これからは英語も喋れなければ、日本の企業への就職も難しいということか。
「じゃあ、お前らも、就職できるように、今日から日本語禁止な」
「「え~~~~!!」」
その言葉に二人は、床に腹這いになり対抗する。
「オウッ、オウッ」
「オウッ~オウオウ」
「お前ら、オットセイのふりしても無駄だぞ」
「「in English, please?」」
「別に自分は日本語で良いだろ!!!!!!」

今日も就活は何も進展は無かった。
真田の謎が深まるばかりであった。

蟹だと思ったら 人だった その4~最近話題のアレ~

「死にたがり屋~死にたがり屋~死にたがり屋~……君は~~~~!」
最近話題の「JST13」。どうも日本は自殺が好きらしい。




だと思ったら
だった
その~最近話題のアレ~



「で、職は見つけたのか?」
テレビを寝っ転がりながら見ている真田に軽いジャブを繰り出す。
「いや」
「一応言っとくが、お前らが職を見つけるまで住まわせるって約束で、毎日ハロワ行って職探してこなきゃ追い出すって誓約書書かせたはずだが」
自分の懐から、紙を取り出す。
第一、稲田はちゃんと毎日ハロワに通っている。こいつと来たら、一日中テレビの前を陣取り、お菓子をボリボリ食って一日を浪費している。従兄妹といえども、何という差。
「わかった!わかったから。でも、こっちも職を選ぶ権利はあるでしょ」
気だるく話しつつ、真田はテーブルにあるせんべいに手をかける。
「確かに。だが、お前が仕事選んでばっかりだと、いつまでたっても仕事にありつけないぞ」
「あ。ひとついいの思いついた」
そう言って、テレビ画面を指さした。
そこには、今を時めく鬱系アイドル「JST13」が、「ジュカイとアラナワ」というなんとも不気味な歌を歌っていた。歌っているバックが樹海で、目の前に垂れ下がる無数の荒縄。悪意あるセットとしか言いようがない。しかし、これはあくまでも「設定」だそうだ。死にかけている美女たちに、ファンたちが手を差し伸べて「救ってあげたい」という心理を引き出す効果がある、とどっかの専門家がエラそうに語ってたっけか。

「私、あれになりたい!!」
何を今更夢見てんだ。そもそもお前はもう成人しちゃってんじゃん。そんな奴は、アイドルにゃあなれん。せめて中高生だろ。
「無理だ。今更アイドル目指してどうする。目指そうとしても只痛々しいだけだぞ」
「いいじゃん!一生に一度位、テレビ出てみたいじゃん!!!」
自分の足元まで、シャクトリムシのように動いてにじり寄ってくる。
「はあ……普通に街頭インタビューみたいのでいいじゃんか」
「それじゃダメ!もっと、私という存在をアッピール出来なきゃ意味がない!」
自己顕示欲の塊、とでも言っておこう。いくら必死に説得しても、真田は降りることは無く、流れで、書類だけ試しに、「JST13」の芸能プロダクションに送ってみることにした。


翌日。
芸能プロダクションから電話が掛かってきた。
「是非来てくれ」との返答であった。
……夢でも見ているのか?
その話を聞いて、真田は床を飛び跳ねて全身で喜びを表現した。
服はどうしようと聞かれたが、生憎自分は服のセンスは無いに等しいので、巷にいるような女の子を思い浮かべながら、派手にならず、かといって地味にならない、ある意味中途半端なモノを勧めた。

「じゃ、行って来い」
自分はドレスアップ(と言ってもファストファッションだが)した真田を玄関まで見送り、眩しい位の笑顔を浮かべ、凛とした姿勢で出陣していった。
てか、カツラ(最近はウィッグとか言うらしいが)着けてまで見栄を張りたいのか。……まあ、女の子だから仕方ないのかな。

そして、帰還。
真田の顔は、行きはあんなに輝かしい笑みを浮かべていたのに、何があったのか、死んだ魚のような目になっていた。
どう考えてもこいつ、落ちたな。
「どうだった」
ダメ元で尋ねてみる。
「月100万」
「は?」
「アイドルにはなれるみたいだけど、なるには研修みたいなのを受けなきゃならないみたい。それに月100万かかるんだってさ!」
吐き捨てるように真田はつぶやく。
「それさ、詐欺じゃないの?」
「詐欺じゃない!」
「てか、ホントにこの子入れたいと思ったら、金とか出させないんじゃない?」
その言葉に、真田はハッとする。
「そっか……、そうだよね。私、才能無いんだ」
才能じゃないくて容姿です。
「そんなことない!お前には立派な才能が一つだけある!!」
「何?」
「ダンボールに入る程、体が柔らかい」

「それは才能って言わないの!!!!」

<終>



次回予告

稲田が遂に就職?


その5~フリーター、恥をかく~















蟹だと思ったら 人だった その3~三角関係(笑)~

着いてしまった。
女の子を追放するどころか、厄介者を拾ってきてしまった。
やれやれだぜ……


だと思ったら
だった
その~三角関係(笑)~



玄関に到着。
「絶対に、何見ても驚くなよ?」
自分は稲田の両肩を鷲掴みにし、必死に目で危険性を訴えた。
しかし、稲田はそんなものには見向きもせず、その辺をウロウロしている猫を呼び寄せ、顎を撫でていた。猫があまりに可愛い鳴き声を出すものだから、自分も思わずウットリしてしまった。
「猫、じゃなくて、女の子が今家に……」
女の子という単語に稲田は機敏に反応する。
「お前、オレに黙って不純異性交遊とは、許さん!!」
稲田は、興奮し自分の胸倉を掴んでくる。
「落ち着け!ちゃんと紹介してあげるから、許せ」
その言葉に納得した稲田は、不気味な薄笑いを浮かべ、鍵穴を指差し早く開けろと催促する。
自分は、何だか腑に落ちないモノを胸に抱え、渋々鍵を開ける。

扉が開くと、図々しくも真っ先に部屋に飛び込む。
そこには、テーブルの上で正座している女の子が冷蔵庫を睨み付ける、不思議な光景が広がっていた。
すると女の子の顔を見るや否や、稲田が突如発狂し始めた。それも、自分の予想の遥か上のことだった。
「ああああ、ミ、ミヨチン!!!!!!久しぶり」
「ミ、ミヨチン?」
全く現在の状況が把握出来ない。
「もしかして、マー君?超久しぶり!!」
あろうことか、女の子は稲田に駆け寄り、抱きつく。
稲田。オマエは過去に一体何をやらかしたんだ?よもや犯罪に手を染めてるんじゃあるまいな。
「ちょっと待った。お前らどういう関係なんだ?ヤバい経路で知り合ったんなら、速攻追い出す」
すると、二人は互いに肩を組み、微笑みながら、
「オレ達、従兄妹なんだ」
「え?そんな、証拠も無いのに信じられるか」
「あるよ!証拠なら」
すると、稲田は家系図をポケットから取り出した。
「ほら見てごらん!ちゃんと従兄妹ってなってるだろ」
「まずさ、それ以前に、この子の名前知らないからさ」
稲田は、目を見開き、女の子を凝視する。
「前から言ってるだろう?ちゃんと初対面の人には名を名乗るって」
「ごめん」
女の子は稲田に深々とお辞儀、続いて自分に向けてお辞儀をし、こう告げた。
「ワタクシ、真田美好と申します。以後お見知りおきを」
真田は、スカートが無い代わりに長い髪の毛を持ち上げて、お嬢様風挨拶を完了した。
するとつかさず稲田が、
「ダメだろ!髪の毛はちゃんと75cm上げろって何回言ったら分かってくれるんだ」
いや、突っ込むべき所はそこじゃないでしょ。
「まあ、二人が従兄妹だとして、これからどうするんだよ」
「もちろん、ここで暮らす!!」
二人、即答。
「だったら!ちゃんと金出せよ。ここの家賃結構高いんだしさ」
「いやいや、オレ達働く気無いから」
二人寝転ぶ。
「だったら出てってもらう!働かざる者食うべからずっていうだろ」
「じゃあ、見つけといて」
もう我慢の限界だ。
「いい加減にしろ!!!!!!!!!!!!!」
思わず叫んでしまった。すると、彼らから声は発せられず、代わりにドアの向こうから大家の声が。
「うっせー!!!黙れ!今ねえんじだっとおっもってんであ?」
相変わらずの酔い加減。舌が全然回ってない。
自分は部屋を飛び出し、すいません、と深々と何度も何度もお辞儀をした。
「けんどうりゃくいたら、けろすかんあ!おべーとけ!!!」
無事、大家を追い返すことができた。ふう。

「で、どうすんの」
「……ちゃんと働きます」

こうして、二人の就職活動が始まった。




次回

その4~最近話題のアレ~


アイドル目指してえんやこーら。







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蟹だと思ったら人だった その2~いい迷惑~

今、自分は窮地に立たされている。
なぜかって?

女の子が送られてきたからだ!!!!




だと思ったら
だった
その~いい迷惑~



確かに、最初は返品の電話を入れて、業者に送り返そうと思った。しかし、良く考えたらそんな人を平気で送ってくる様な企業がまともに相手してくれるとは思えない。そういや、そもそも送り主の住所すら書いてなかったような……。

駐車場に到着。
デニムの右のポケットから車のカギを取出し、扉の鍵穴に挿入し捻る。
無事にロックが解除されたのを音で確認し、扉を開け、運転席にドッカと腰かける。
次はエンジンをかける。
ハンドルの横の鍵穴に先程のようにカギを差し込み、エンジン点火……のハズだった。
なんとカギを捻り、僅かな振動と共に前方よりブコッという不気味な効果音が聞こえてきた後、全くウンともスンとも言わなくなってしまったのである。
不味い。この間にアノ女の子に逃げられてしまっては、ココまで来た意味が無くなってしまうどころか、警察と一夜を過ごすハメになる!!
震える手を抑えつつ、車外に出、ボンネットを開ける。
驚いたことに、エンジンに何の異常も無い。その他機器を目視で検査したが、これまた異常が見つからなかった。
エンジンにはおそらく点火出来た。振動も起こってたし。なのでバッテリー切れが原因ということは考えられない。思い当たる節があるとすれば……あ!

「ガソリン、入れるの忘れてた」
昨日会社から帰ってくる時に給油ランプが光ってたのをすっかり忘れていた。最寄のガソリンスタンドでちゃんと給油してから帰れば良かった。
そんな自分の不甲斐無さにため息が漏れた。

しかし、その溜息を「待ってました!」とばかりに待ち望んでいた男が草むらから様子を窺っていたのである。
友人の「稲田」である。

「カワリン!久しぶり」
タイミングも読まずに堂々と草むらから飛び出し、挙句の果てには散々使うなと言ってきたあだ名を何の躊躇いも無く使う。あいつは昔からそういう男だった。しかも、片手にはご丁寧にもガソリンの入った缶を持っていた。

「そのカワリンっていうの、やめてくんないか?」
「いやいや、やめられんよ。俺たち、無二の親友だろ?」
「そんな覚えは一切ない」
「なに照れてんだよ!……それでカワリン、ココで何してんの?」
既にその時には給油口の前でスタンバイしていた。
「ガソリンがなくて車が動かない。以上!」
「お望み道理に!」
待ち焦がれていたかのように、急いで給油口の蓋を開け、ガソリンを注ぎ込む。
「何の器具も使わなくて、大丈夫なのか」
「大丈夫だ、問題ない」
そう言いながら、脇からガソリンが流れ出ている。
「全然大丈夫じゃねージャン!!!」
「後で拭く」
ボロボロの半ズボンから取り出された、どう見てもハンカチのようなもので脇を必死に拭いている。
「良いよ、自分で拭いとくから」
何だか見てられなくなったので、後ろのトランクから雑巾を取り出す。
「いいや、俺が責任を持って拭く!だって、オマエんちに泊めてもらうんだから、これぐらいやんなきゃ割に合わないだろ?」

今、奴は何て言った?
ウチに泊めてくれ?今の状況では到底無理だ。
てかアイツ、アパートに住んでたんじゃないのか?

「お前、家どうした?」
「借金しすぎて家賃払えなくなった」
以前、大学時代にも塵も積もれば山となるでは無いが、高額の借金を今まで苦労して貯めた自分の貯金を叩いて弁済したというのに、アイツは性懲りも無しに自分にお金を一銭も返さず、それどころかまた借金を抱えるという愚かなことになっている。只、アイツには昔の借りが有るので、一概に見放すことはなかなか出来ない。
「じゃあ、車中泊なら許してやる」
「いやいや、ガソリンあんま無いし、外寒いし……凍え死んだらオマエ責任取ってくれんのか?」
確かに季節は既に冬だ。車中泊には辛い季節かもしれない。
だが、部屋に入ることになるとしたら、今のイレギュラーな状態をまずは理解して頂くことが先決だ。
「分かった。だけど、部屋入ってもさ、絶対に驚くんじゃないぞ。絶対だかんな」
「承知した。オマエの物品管理能力の低さは筋金入りだからな」
いや、そういう次元の話では無いが。

何だか納得いかないが、成行きで稲田を渋々引き取ることになった。



次回

その3~三角関係(笑)~


稲田…アンタって人は!







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蟹と思ったら人だった その1

おはようございます。
今日も素晴らしい一日になりますよう、お祈りします。

あなたの人生に、幸あれ!


だと思ったら
だった
その



昨日、ネット通販で「カニ盛り沢山!わくわくセット」というのを注文した。
どうやら何か些細な欠損部分があるとかで、B級扱いになったものを安価で売り捌いてしまおうという通販会社の企画に、自分が乗っかってしまったというわけだ。
通販会社からは、翌日配送という通知が来ている。嘘でなければ今日届けられるハズである。だがしかし、最近の配送業者は発送日を守らない所が有るとかないとか言われている。けれども今までそんな経験は無いので、それは都市伝説の類であると思い込むことにする。
蟹をタラフク食べるために、こっちは昼飯抜きで待機してるんだ。いい加減そろそろ来ないとアンタの会社に苦情入れちまうぞ!
早く来てくれ……

「ピンポーン」

爽やかなドアチャイムの音と共に腹の虫が鳴き始める。唾液が過剰に分泌され、喉に送り込まれる。
猛ダッシュで玄関に向かう。おそらくこれ程の贅沢品はこれから先食べれる機会に恵まれることは少ないだろう。
ドアを勢い良く開ける。すると、宅配業者の人にドアが思いっきり当たってしまい、玄関先でうずくまっていた。
「すいません。大丈夫ですか?」
「……はい、問題ありません」
宅配業者の人はスックと立ち上がり、白いダンボールを自分に手渡した。
だがどう考えても蟹にしては重い。もしかしてサービスでそれだけ内容物が多くしたのかと妄想し勝手に合点した。
受け取りを終えた後、自分にこの用紙にハンコかサインをしろと要求された。生憎玄関にペンしか無かったので、「川島」と走り文字でサインした。
サインを貰った宅配業者の人は、満足気な笑みを浮かべ、深々とお辞儀をし、玄関先から去って行った。

「ついに、この時が来た」
否応が無しに、期待は高まる。なんせ高級蟹が、今目前に有るんだから!
早く食べたいという欲求にかられ、ダンボールのガムテープを手で強引に剥がし、中を覗く。
……
……
あれ?
蟹じゃない。女の等身大の、麻布の服を着た人形が入ってる。しかもご丁寧に猿轡が着けられ、手足には荒縄で縛られている。
意味が分からない。確かに自分は蟹を頼んだハズだ。ちゃんと履歴も残ってる。
とりあえず、返品の手続きをしないと。

「んう」
人形と思わしき物体から何か音が発生した。まさか、「声」?
「んん」
確実に人形、いや人間が喋っている。
急いで猿轡、縄を解き、話しかける。
「アンタ、どこから来た?」
「オホーツク海」
冗談キツイゼ。
「え?まさか、海に放り投げられたのか?」
「私は、あくまでも蟹だっ!!!!」
少女は、ありったけの力を振り絞り、叫んだ。
「いえ、勝手に名乗るのは結構ですが、貴女はどう見ても人間ですが」
まさか、どこかの物語にあるように、魚が人になったとか?んなもん現実に有る訳無い。自分も良識の有る一人前の大人だ。そんなもんすぐに分かる。
「……もういい」
自分の一歩も譲ろうとしない態度に我慢ならなくなったのか、それとも只何か食べたくなっただけなのか分からないが、自分の部屋にある冷蔵庫に接近していった。
冷蔵庫の扉の取っ手をしっかり握り、開けた。中は、消費期限をとっくに過ぎた牛乳、既にカビが生えて緑色に染まっている食パン、などなどゲテモノキワモノ揃い踏みの博物館と化している。恐るべき自分の所有物管理能力。いい加減捨てたほうが、隣近所に迷惑……、むしろ捨てた時にとてつもない悪臭が漂い、鼻を曲げさせてしまうだろう。では、消臭剤を中にぶち込めばなんとかなるのでは?

そう考えていたのも束の間、少女は明らかにチーズ化している牛乳をラッパ飲みし、一気に胃袋に収めてしまった。
「お、おい、それはとっくに腐って捨てそびれた牛乳だ!早く吐き出せ!!!!」
少女はしてやったりのドヤ顔で、自分に報復した積りになっているが、その顔にも陰りが見え始め、結局トイレに逃げ込んでしまった。

この間、今自分ができることを考えてみた。
警察に突き出すか?いや、こいつの事情を自分は知らない。警察に出頭させたら、何かの共犯者とか言われて、刑務所生活……そんなのいやだ!
とりあえず匿うと仮定して、見知らぬ少女がここにいることがバレたらどうする?友人に引かれるだけでなく、結局警察のお世話になっちまう。
こうなったら、山に不法投棄するしかない。早速近くの駐車場から車を取りにいかなくては!

思い立ったら吉日。自分は悪霊に憑りつかれた面持で、家を飛び出した。




次回

その2~いい迷惑~



主人公の頑張りに期待。

10・17ごろ公開?































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市街地のんか

市街地から川沿いに真っ直ぐ歩いていくと、どことなく異様な雰囲気を漂わしている館がある。それは、地元住民からも疎ましく思われており、誰が住んでるとか、何の為に建てられたのか、全く分からない。外見は、二階建ての洋館で、蔓が壁を縦横無尽に駆け巡って、鬱蒼としている。ただ、ネームプレートやポストがあった痕跡が全く無い。家として住むには不可思議極まりない。
そんなこんなで奇遇にも私、仕事が無いもので、暇な時間は腐る程あるので、今日はこの館の観覧ツアーでも執り行おうと画策した。

泡を吹いて泳ぐ鯉と併走し、うなだれる程の熱を受けて鉄板で熱せられるような不快感を覚える。この時期の不快要素は徐々に鉛の様にへばりつき私の体を蝕んでいく、ネチっこい性格をしている。こんな苦しい思いをするなら、鯉の泡となっていっそのこと消えてしまおうか、なんて空想を頭の中でグルグル回しながら、歩を進める。
途中に自動販売機が点在しており、市街地に眠る数少ないオアシスとして機能している。複雑な回線駆け巡るこのコンクリートジャングルのマスコットみたいなものだ。
私は、自動販売機に120イェンを飲み込ませ、前面に散らばったボタンの中の一つを押し、缶ジュースを吐き出させる。それには、唾液とも見えなくもない水滴が既に滴り落ちる程に溜まっていた。
私は、背筋が凍てつくような嫌悪感を抱いたが、これは数少ないマネーを食わせて出させた貴重な資源なのだから、最早有効活用するしかないと自らを納得させ、缶の口をガスの勢い良く飛びだす快感と共にこじ開けた。そのまま、缶の中の液体を自らの体に投入する。すると、どういうことだろうか。体の隅々に液体が浸食し、無理やりこの使い物にならない体を動かしてやろうと暗示してくる。私は、その漠然とした無意識に導かれ、再び前進せざるを得なくなった。

コンクリートはいつの間にかコタイからエキタイに変わり、マーブル状に模様を替えた。さっき道端に転がってたビー玉も、今頃メンコに変わってるだろう。草や花は、息を切らして日陰へ日陰へと移動を始めている。
あんまり暑いもんだから、頭が蒸発しそうになるから、奴らの気持ちが良くわかる。

そろそろかな、と地面から前へ視線を移すと、それは圧倒的な存在感と共にそびえ立っていた。
恐る恐る、敷地内に侵入する。地雷や警備システム等は仕掛けられていないらしく、足を踏み入れても何も起こらなかった。目の前には無限に伸びまくる緑と赤色の煉瓦の壁と灰色のドア。もうここまで来たんだから引き返せないと意を決してドアをノックした。……応答無し。よし、こういう時は声をかけてあげるんだよな。

「ごめんください」「はーい」

さっきは反応しなかったのに、声をかけた途端、ビーフジャーキーを差し出された犬のが素早く犬小屋から出て来るように、ニコニコと不気味な笑みを浮かべてやってきた。
埃臭く、ほんのり蜜の匂いを漂わせてやってきたのは、緑色の長髪の若い乙女であった。いきなりのサプライズに、天地がひっくり返ったような心地がした。
中は、ボロボロになった木のフローリングと、無機質にさらけ出されたコンクリートの壁。部屋は見たところ暗くてどこにあるかは分からない。だいたいこういう家は、廊下が長すぎてなかなか部屋に着けないってのが多い。おそらくそういう類の家なのだろう。
乙女がこっちにおいでと手招きする。私は昔話に良く出て来る、一晩泊まった所が荒れ地だった、みたいな展開になるんじゃないかと少々警戒していたが、まさか現実しそんなことが起こるまいと高を括り、まるで花の匂いに誘われる蜂のように、乙女の行く方へ付いていくことにした。

廊下の壁には、絵画が10m間隔で飾られている。それぞれの絵画には、骸骨、烏、死体等不気味なモノで統一されている。少々背筋に違和感を覚えてたが、こんなもので怖じ気づく私ではないと思い切り目を見開き、気合いを入れた。
乾いた木の擦れる音と、今にも床が抜け落ちそうな浮遊感を楽しんでいるうちに、リビングに着いた。そこには円型のニビ色のテーブル、その上に枯れたチューリップの花、錆びてボロボロになった鉄の椅子三脚がそれぞれ部屋の中で不協和音を奏でていた。リビングの窓から見えるのは、茶色に染まった芝生が一面に広がる庭。この家からもそうだが、時が止まったまま動かない空間みたいな風景が延々と続いている。もしかしたら、管理が面倒で放置していたらこうなったのか?そんな一抹の疑問がふと湧いたので、聞いてみることにした。

「なんで芝生とか、枯れたまま放置してるんですか?」
すると、乙女はこちらにねっとりした視線を送り、
「ここは、何をしても無駄なんです」
そう言い残し、どこかへ行ってしまった。
私は呆気にとられ、椅子を引き、腰を落ち着けることにした。するとテーブルから、まるで繭を突き破る蛾のように、陶製のマグカップが飛び出してきた。その中には、見るからに黒い液体がびっしりと充填されていた。こういう登場した物に、得できるような物は一つも無い。どうせ、中はゴキブリの粉末を溶かしたものなんだろうと鼻であしらいつつも、実際にそういうものがあったら試してみたいという好奇心が存在したのも確かだ。二つの意志を葛藤させた末、恐らく二度と飲めないだろうということで、試しに飲むことにした。
見たところ粘り気があり、微かに土の匂いがする。コップの取っ手をしっかり握り締め、口の中に液体を含む。意外に辺鄙な味ではなく、コーヒーのような苦味がした。若干果糖に近い甘味も感じた。これならもう一杯行けそうだぁ。ってあえ?えうあうあっえいあ。私はそのまま、テーブルに身を委ねたまま硬直してしまった。
ふとした瞬間、目を覚ます。辺りはもう暗闇に包まれていた。頼りにしていたテーブルや椅子はいつの間にか姿を消し、私は床で寝ていたことになっていた。まず、この家の形がおかしい。元々は長方形だった空間は円形になっていて、床は無数の目が生え私を監視している。肝心の壁はネズミを押し固めて造られたモノにすり替わっていた。これはいくらなんでも昔話より酷い。私は目を押しのけ、床に頭を押し付け、冷静になるように自己暗示をかけた。まずはこれが現実か?そんなハズない。じゃあコレは夢か?そうでもない。じゃあ一体これは何なんだ。最早科学や理屈で理解出来ない世界へ、私は飛び込んでしまったようだ。そうした困惑を予期したのか、例の乙女が私の方へ近づきながらこう問い掛けた。

「あたなはあらたしいかいせへびとこんだ?」
「うん」
「ちらこへきさない」
乙女は、日本語体系を失った崩れた言語で私にコミュニケーションを図った。しかし、不思議なことに私には理解出来た。なので乙女の言うとおり私は手を差し伸べた。すると乙女は一瞬にして量子レベルまで分解され、私に凝着した。前進に棘を刺されたような激痛が走る。私の体であるはずなのに、私のものでなくなってしまっていくような虚脱感が脳の中を電気信号として伝わっていく。乙女も電気信号で、私と会話を試みる。
「おめでとう、今日からあなたは私です」
その瞬間、私は私でなくなった。意識は残っているのだが、私の体は何処からかの無線で操作されている。もう私は、この体が何をするのかを死ぬまで延々と見続けることしか出来ないのだ。

「暗闇をもっと。奴らは蝕む害悪だ」
そう、私に告げたきり、乙女が話かけることは二度と無かった。

ーーーーーーーーーー

誰かがテレビを点けて、何も考えず涎をだらしなく垂らしながら眺めている。しかし、その日のニュース番組では、こんな事件の特集が流れた。

「狂気?屋敷に住む男が犯した大量殺戮!!」
その特集によると、その男は市街地を流れる川に沿って歩いた所の屋敷に住んでいるという。近所の人の証言によると、その男は何故か女言葉をしゃべり、髪の毛を緑に染めているようだ。そして、犯行の際涙を流しているのだという。その様子がこの地域に伝わる妖怪「のんか」にソックリということで、近所の人達は口を揃えて「市街地のんか」と呼んでいるのだとか。

この被疑者は、以前その辺りに住んでいたのだが、今現在まで行方が確認されていないという。


〈終〉

なに?

偶には解凍していいでしょ?

ギャグストーリー小説始まり。



豪遊記~パンダとその他の人たち~


おそらく、あれに出会ったのは、遠い昔。


「ボクパンダ。見ないと殺す。」
俺を脅そうとしているのか。っていうか、パンダしゃべんないし。

「じゃあ、ボクを中国に戻して。」
動物園で、パンダに話かけるなんて、小さい子供ぐらいだ。話したら負け・・・

「適当に、仲間集めてw」
パンダ万歳!!!


<終>

ポケットモンキー・・・縮めて、ポケモン。

はいはい。DJ.Fです。


やばい。

部活さぼりまくってる。

先輩やばい。


宇宙やばい。


てなわけで、始めます。



たぶんそれは、夢なんじゃないか?非現実と現実の狭間が、俺の中で狂い始めた。どれもこれも



彼奴のせいだ。


FLASH   


第二回  地獄変



目覚めると、既に風景が様変わりしていた。
今まで殺風景な部屋から、青空とコンクリートビルが軒を連ねている市街地になっていた。

「ここが、未来か・・・」

俺自身も、既にこの現実に半ば諦めかけていた。

「やあ。元気!?顔色悪いな、お前」

何処か機械的、だが人間味のある声がタイムマシーン内に響き渡った。

「だ、誰だよ。タイムマシーンには俺しか居ないはずだが」

俺の背筋に、ドライアイスをぶつけられた様な衝撃が走った。手が小刻みに振動している。
(もしかして、未来人に見つかった?やべぇ!!殺される・・・)
「お前、実は独身だろ」
「は?」

その声の主の正体は直ぐに分かった。彼奴が仕掛けた、オペレーションロボット「セレス」だった。

(何でこんなモンが入ってんだよ!ビックリしたぜ)

「ところで、この世界の西暦は何年だ?」
「3052年、ってとこかな」
「ってとこかな、ってちょっと!俺が居た時代からざっと1052年後か。何でこんなとこ来ちゃったんだよ・・・」



「あなたは、使命が有るから未来に来ることが出来たのです」



セレスは、声色を変え、常人には理解不能な宣言を俺に投げかけた。


「どういうことだよ。説明してくれ」
「つまり、『未来に影響を及ぼす者しか、時空を超えられない。』ということです。よって、あなたは、「選ばれし者」とでも言っておきましょう」
「へぇ。で?」
「で、って言われても、困る」
「使えねーロボットだな」
「この世界では、「ロボット」は差別用語です。失礼な人間です。この世界では、「ロボット」ではなく、「アンドロイド」と呼んで下さい」
「さっき自分のこと、「ロボット」って言ったじゃん」
「あ!」


そんなこんなで、人間とロボッ、じゃなくて、アンドロイドという異色のパーティが出来上がった。

                      *
 そろそろ、タイムマシーンも飽きたので、外の空気を吸うことにした。

昔と変わらず、無機質な世界に緑のスペース。人間は、考えが短絡的。この辺全部緑にして、コンクリ塔達を一本に纏めれば、地球温暖化だって・・・そういえば、昔に比べて涼しいっていうか、寒い!

「なんか、寒くないか?」
「私は別に。なにしろ「アンドロイド」ですから。あと、ついでに言っておくけど、後もう少しで地球は氷河期に突入するんだって」
「え?」
「だから、今地球の季節は「解(かい)・水(すい)・結(けつ)・氷(ひょう)」っていう名前になったんだ。」
「じゃあ、「地球温暖化」はどうなったんだ?」
「地球温暖化か。懐かしいな。地球温暖化は、実はデマ。地球には、「温暖期」っていうものがあることに、気づいたんだ。ほら、よく考えてみて。最近噴火や地震が多いじゃん」
「あ!そういうことか」
「そう。つまり、知らず知らずに、熱は色々な所から放たれていた、っていう訳」
「っていうか、ホントかよ」

内心、ココは本当に未来なのか、疑問だった。やけに、俺の時代に有ったものが、未だ地球に居座ってやがる。もしかして、旧市街地か?

「着いたよ。ここが、貴方が住んでいた、「旧市街地」です」


それは、あまりにも、目を瞑りたい光景だった。

最初に見た物は、美化された物だと、ようやく気づいた。

「ここは、「第三次世界大戦」で、核爆弾が炸裂した町、「青木町」。今は、世界遺産として、保存されているわ」
「そんな・・・、ふざけんな!そんな訳あるか。「ニホン」は、戦争しないんじゃなかったのか?」
「そんなの、嘘に決まってるじゃん。「ニホン」は、中国とアメリカ合衆国との戦いに巻き込まれ、中国側に付いた。それの報復として、ココに核爆弾を落とした。訳の分からない内容で、ココは跡形も無く破壊された::。
 その後、中国は、その報復として、アメリカ合衆国を総攻撃した。そして、中国の大勝利に終わった」

「そう、なんだ」

俺は、後に続く言葉が思い浮かばなかった。

「あなたには、この現実を阻止するために、働いてもらいます」


「え?それとこれとは、関係無いだろ」
「実は、時空分岐は、貴方の決断から始まっていたのです」




(第二回 終)



では、さよなら!

Going to the summer

そろそろ、本格的な夏ですね・・・。DJ.Fです。


前回か前々回に報告した「あれ」ですが、全然後編が出来てないので、短編を少々。


即興ですので、修正版は、後々。

では、始めます。




世界には、理論とか、不思議現象とか、ヘンなものが溢れているような気がする。しかし、自分には、全て嘘としか思えない。

特に、タイムマシーンなんか。

人間は、何処まで可笑しくなれるのか・・・


俺の妄想は、無限に広がっていくばかりだった。


FLASH(全三回)
第一回 キミのみたもの

いつものように電車に乗り込み、学校に向かった。

窓から見える風景は、不気味にそびえ立つコンクリートの塊と、ただただ流れるだけの白い物体と澄んだ青い空。

・・・都会は嫌だ。



そんなこんなで、学校の最寄り駅に着いた。

いつも友人と待ち合わせをしているので、大体10分程待つ。

彼奴は、いつも平気で約束の時間をオーバーしてやってくる。
だけど、それでも良い。なんせ、彼奴は、「天才博士」ですから。

「すまん、遅れた」

「堂場和博」・・・それが奴の名だ。

「今日は、何の研究してたんだ?」
「ああ、今日は、昨日の続きだよ。三年間掛かった研究が、遂に終わりそうなんだ」
「やめとけ。あんなモン出来る訳ない」
「もう既に、動物実験はしました。完璧です」


まさか、あの時読んだだけの物理学の本でこれだけの成果を上げられるとは・・・。恐るべき天才。

「という訳で、放課後理科室来てくれ。最後の調整段階だから」

そんなこんなで、奴主催の「SF研究部」に招待された。


                     *

放課後、騙されたと思って理科室の前まで来てみた。

どうせ、タイムマシーンなんて作れるはずがない。作れたとしても、大学教授レベルだ。その前に、俺はタイムマシーンなんて信じない。

俺は、奴を鼻であしらってしまった。

しかし、理科室に入った瞬間、何かいつもの空気と違った。


目の前に広がっていたのは、そびえ立つ巨大な物体だった。


「やあ。遅れてすまない」

奴は、呑気に笑ってやってきた。

「こ、これ、どうやって持ってきたんだよ!」

「ああ、気にしない気にしない」

気にするよ。


「それで、見せてくれよ。タイムスリップする瞬間をよ」

「なら、キミが乗ってみれば?」

ちょっと待った。何で俺が乗らなきゃいけないんだ!
結局俺は動物扱いか?ひでぇ奴だ。

「お前が乗れよ。やっぱ作った奴自身が乗った方が、今までの苦労が晴らせるんじゃないか?」

「それはそうですが、ボクはいつでも乗れます。だから、今しか乗れないキミに頼みたいんです。」

確かに。だが・・・、どうせ偽物だろう。「うわーすごい」とか叫んでやりゃあ、彼奴も満足するだろう。

「よし!じゃあ、乗ってやるよ」

「分かりました。ではこちらへ」

言われるがまま、タイムマシーンに乗り込んだ。

もしかすると・・・、いやいや。タイムマシーンなんかできっこない。

俺の頭は、非現実的な今の状況についていっていなかった。

頭がこんがらがってきた。

奴は、俺をタイムマシーンの座席に案内した後、ここから離れた。

「じゃあ、緑のボタンを押して」

「分かった分かった」


何も考えずに押してしまったのが、馬鹿だった。


周りの景色はたちまち砂嵐のようになり、暫く経ったあと、強烈な光が俺を襲った。


俺は、思わず目を閉じ、




気絶してしまった。




<第一回 終>



では、さよなら!








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Navigations, etc.

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