不謹慎な行動が目立つ天川榎が面白いことを不定期に 書いてるブログです。気に入ったら、お気に入りに追加しちゃって下さい!相互リンク受付中! 現在不定期で小説を公開中です。
唐突に消え、唐突に現れる天川榎です。
ここ最近作品についてまとめて語る機会が無かったので、まとめて取って出しということで企画しました。
今回は処女作である「MASK OF HEART」です。
「MASK OF HEART」
初2006年5月28日~終2010年3月22日
漠然とその頃は「小説書きたいなー」と思っていたころ。既にそれ以前から創作意欲があり、インターネットやブログなど環境が整ったのがこの頃で、試しに書いてみたというところ。当時は描写をほぼ0に近づけ、会話で物語を成立させようという危うい実験をしていた。描写なんかしなくても、脳内補完で何とかなるなんて甘いことを考えていたころ。その為、前半でもあったが端的かつドライな表現が中盤から多くなる。終盤からは「Capsule」の連載を始め、描写の必然性に辿りつき、考えを改め描写に真っ正面から取り組むこととなる。描写を極限まで追い求める流れは「何でもない日常」に引き継がれる。会話の流れを楽しむという流れは「蟹人」、「青春18勇者」に引き継がれた。
このいわゆる「喧嘩を売ってる小説」内の実験によって数々の要素が生まれ、現在の作風が出来上がっていったのである。
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現代!
それは情報に溢れた『密林』!
そこから出てくるのは、ソースの無いデマカセの嵐!
我々は、かくして情報の海から逃れる為、TVにかじり付くこととなった……
蟹だと思ったら
人だった
その7
~TVこそ至高~
『今!巷でミミズゴムが大人気!』
鬼の首でも取ったかのようにはしゃぎまくるキャスター、タレント。
『ミミズリボン!チョーキモカウィイデスヨネー』
女子高生が、実際に髪結いに使っている姿が映る。彼女はポニーテールに緑のミミズゴムを使っている。
本物のミミズよろしく、あの細長いボディをゴムの質感と模様で見事に再現している。昆虫好きにはたまらない。
『皆さんもつけてみて下さい~』
『わ~なにこれ~』
『あ!似合ってますよ~ほらほら~』
タレント達が実際につけてみて、それをスタジオ観覧の客に見せる。
客からの大歓声にタレントは満面の笑み。
「私もこれほしー」
真田が画面に入り込むんじゃないかという勢いで、TVを凝視する。
「おいおい、ミミズの髪ゴムなんかつけても良いことないぞ」
自分がすかさず横槍を入れる。
「いいじゃん、買っちゃえつけちゃえ。どうせ川島が払ってくれるから」
「自分の金で払え!それぐらい」
いまだに生活を自立させようという意思が全くない稲田。早く職に就け。
「やったープレゼントだーありがとう」
全く感情がこもっていない感謝をされても、ちっとも嬉しくない。
それにしても、TVは性懲りにもなく流行アイテムを紹介したがる。
ことあるごとに『最新』『最近話題』『一押しトレンド』『一発屋』など、流行が無限に押し寄せてくる。確かに紹介されるものは、それぞれ魅力的で使い勝手の良いものも多いが、たまに周囲を見渡しても、それ使ってねーよみたいな妙な孤立というか、違和感を感じることがある。
まあ、自分が納得すれば済む話だが。
「早く~買いにいこうよ~」
真田が自分を外出させようと煽る。しかし、当の真田は『DUST&NEET』とでっかく書かれたヨレヨレTシャツとパンツ一丁という素晴らしい恰好をしている。
「なら、早くまともな服に着替えなさい」
「え、これまともじゃん!最新のトレンドだよ」
真田は体を左右にひねって駄々をこねる。
「そんなのが流行ってたら警察何万人いても足りないよ」
自分が、真田のクロゼットへ背中を押して誘導する。
「それにしても、良くこの短期間で増えたな……」
真田が段ボールが入れられて移住してきた日から20日経った。
どこから買ってきたのかよく分からない服が、自分の寝室の窓際左端の角に無造作に置かれている。
「これ、放っておいたらカビ生えるんじゃないか?」
「大丈夫!塩素消毒したから、バッチリ」
全然バッチリではないのだが。
「とりあえず、適当に上下着て、外出るぞ」
「やったー!」
真田は、興奮して辺り構わず服を脱ぎだす。
肉眼で確認できたのは、たわわに実った果実たちだった。
「おい!いきなり脱ぎだすな!露出狂か!」
「良いじゃん川島だし」
「良くな~い!!!!!」
咄嗟に顔を覆った指の隙間から、淡い光が差し込む。
レースのカーテンは閉められ、真田を幻想的に包み込む。
「そうマジマジと見られるのも恥ずかしいんだけど」
しまった!あろうことかこの自分が真田に……あの段ボール女の真田に見惚れてしまうとは……。一生の不覚。
「ご、ごめん。覗き魔変態はクールに去ります」
何分か経ち、真田が部屋から出てきた。
上は白い花柄があしらわれたブラウス、下は鈍色のダメージの入ったデニム。
「良い」
稲田が親指を立て、太鼓判を押す。
「良かったー!」
真田が褒められたことを良いことに、飛び跳ねまわる。
「あんまり騒ぐなよ……下大家だし」
「「すいません」」
なぜか二人に謝られた。
そんなこんなで、自分と真田の実質デートということになった。
近くの雑貨屋『ガフト』におそらくお目当てのミミズゴムがあるだろうと仮説を立て、そこへ向かうこととした。
「うわ~外出たのって、久しぶりかも……」
真田が感慨に耽っている。そこで耽られても困る。
「いや、外出て働けよ素直に」
「ダメだよ、どうせ面接行っても断られるだけだし」
「なんでそう決めつける?」
「だって、『自己紹介の紙が無いと面接できない』って言われて追い返されるんだもん」
おいおいおい。履歴書持ってかないとか……TVでやってるファットマミィじゃあるまいし。
「そりゃそうだろ。それ無いとあんたがどんな人間か、面接する人もわかんないでしょ?」
「私には、この口がある!話一本で勝負できるもん!」
「なら、今までの面接全部受かってるはずだが」
「……」
真田は、『ガフト』に着くまで黙ったままとなった。
『ガフト』到着。
この雑貨屋『ガフト』には、だいたい最近流行と謳われたものならほぼ全て網羅している。
つい最近話題になった『キノコすらいむ』『ゾンビパンダ』『光るハゲのおっさん』などのキャラクターグッズが惜し気も無く店頭の最前列に鎮座している。恐るべきTVの影響力。
そして、お目当ての『ミミズゴム』というと……
「え~!即日完売?!」
やはりTVで紹介されたからか、人気は凄まじく、紹介後すぐ人が怒涛のように押し寄せ、あっという間に陳列棚が砂漠と化したという。
「残念だったな。また買いに来よう」
「やだ!絶対やだ!買う!ミミズゴム……」
真田はその場で座り込んで、必死のアピール。子供かよ!
「ほらほら、大きなお姉さんは家で大人しく求人漁りしましょうね~」
「嫌だ!働きたくない!」
「駄々こねてないで、帰るぞ!」
自分は必死に真田をお姫様抱っこで抱え上げ、家まで持ち帰った。
その日は、意気消沈したのか、黙ってインターネットで職漁りを続けた。
そして、翌日。
『見て下さい!この艶やかさ!』
『うわあ……一流デザイナーが作っただけのことはありますね~』
『今、巷で話題!『しゃべるウナギ』ストラップ!芸能人も激ハマり!』
また性懲りも無く、バラエティ情報番組で、流行グッズを紹介している。
「ん~んん~……」
真田にはアイマスク耳栓猿轡で、情報操作をしばらく続けることとする。
おはようです。
今朝もいい天気です。
蟹だと思ったら
人だった
その6
今日も性懲りも無しに、求人票を眺める二人。
新聞のチラシ、求人のサイト、2ちゃんねるなど、あらゆる情報源を駆使し、探し続ける、
だが、二人が満足のいく仕事が無いと言い張るのだ。これだけ調べているんだ、一つくらいは目ぼしいものがみつかるはずだろう。
「近頃は国際化が進んでるからな……、英語が出来ないと雇ってくれないんだよな」
稲田が悪態をつく。そりゃそうだ、総合商社のページしか見てないもんな。
「やっぱり蟹のふりして生きてくのが一番だったのかな?」
真田は段ボールから出てきてしまったことを悔やんでいる。
「いやいやいや、いくらなんでもそれは無理だろ」
自分はシンク台を先日買った激落ちくんで、必死に溜まった汚れを磨いていた。
「そういえば私って、どうやって配達されたのかな?」
「いや、俺に聞かれても」
「記憶がないのよね。なんで段ボールに入ったのかとか、その周辺の記憶がないんだよね」
つまり記憶喪失。そう言いたいのだろう。
だが、稲田のことははっきり覚えているので、仮死剤かなにかで眠らされていたと考えるのが筋だろう。
「まあ、自分はただ、『天国市場』で蟹セットを頼んだだけですが、何か?」
「もしかしたら、その会社がアヤシイんじゃないか?」
唐突に、嬉々と稲田が会話に割り込む。
「だって、商品取り扱ってるところが梱包とかしてるんじゃないの?」
「確かにそうかもしれないが、大体は直送とかじゃないかな」
「いやいやいや、それは無い。最低でもチェックはするだろ」
いつまで経っても結論は出そうに無かったので、直接『天国市場』内のサイトから調べてみることにした。
『天国市場』。今や日本のオンラインショッピングの雄ともいわれるサイトだ。『天国市場』には数多くの店舗が出店し、そこで商売を行う。色々な企業が店を開いているということで、取り扱う商品の種類は豊富だ。
「へ~!こんなサイト、あったんだ」
真田は目を輝かして、『天国市場』を閲覧している。マウスとキーボードが、目にも止まらぬ速さで動き、タップし続けられる。
そして、あるサイトに辿り着く。
「お!『天国市場』が求人やってるよ~」
真田が、冷蔵庫から取り出した腐りかけのヨーグルトを手づかみで食べている稲田に呼びかける。稲田は食べていることがバレると思ったのか、おもむろに冷蔵庫に隠す。
「ま、マジ?」
「ほんと。ほら、見てみて!」
真田が指差すところには、さわやかな職場風景や社長のありがたいお言葉が掲載されていた。
「さて、どんな職種を募集しているのかな……、あれ?」
真田がページを閲覧しているうちに、あることに気づく。
「『グレートなオポチュニティ』って、何?」
「は?日本語でおk」
「なんか、職種紹介で『レアなエクスペリメントをゲット出来るグレートなオポチュニティです』って真顔で書かれてる」
自分も気になったので、そのページを覗く。
そこには、日本語なのか英語なのかよく分からない独自の言語が展開される、不思議な世界が広がっていた。
「なんだ、これは?」
「きっと英語かぶれの人が書いたんだよ」
なぜ、ルー語みたいにわざわざ書く必要があったのか?恰好をつけたかったのか?真意は書いた本人に聞いてみないと分からないので、何ともいえないが、日本語のページなんだから、普通に日本語で書いていいんじゃないか?とは思ったが、何か意図があるのだろうと結論付けた。
「とりあえず、全文読んでみるか」
『トゥデイ、ジャパンではデフレーションがエスカレーションしてイング。リアルなシンキングがキャンなヤングマンがトゥモローをメイキングをドゥするのです。さあ、ユーのドリームに向かってネバーエンディングストーリー!』
「何が言いたいんだ?」
稲田は、鼻をほじりながらなめた口をきいている。
「最後なんか映画の名前だぞ」
「私じゃ、ここ、就職出来ない……」
大丈夫。就職出来るとは思っていない。
「今の求人はみんなこんな感じなのか?」
自分が、不意に切り出す。
「え~と、う~ん、みんな、こんな感じってわけじゃないけど、そういう会社は増えてるよ」
「グローバル化、グローバル化っていっても、何も社内の言語をルー語にしろとはだれも言ってないだろ」
そうか。最近国際化が叫ばれているから、社内の言語を英語に統一し始めているのか。これからは英語も喋れなければ、日本の企業への就職も難しいということか。
「じゃあ、お前らも、就職できるように、今日から日本語禁止な」
「「え~~~~!!」」
その言葉に二人は、床に腹這いになり対抗する。
「オウッ、オウッ」
「オウッ~オウオウ」
「お前ら、オットセイのふりしても無駄だぞ」
「「in English, please?」」
「別に自分は日本語で良いだろ!!!!!!」
今日も就活は何も進展は無かった。
真田の謎が深まるばかりであった。
はい。天川榎です。
ここで小説書き始めて実は6年も経ってたんですね~。
時の流れははやいものです。
さて、現在主な活動場所が「小説家になろう!」になっちゃってるわけですが、今年か来年あたりに小説家デビュー5周年突破記念で、正式に過去作品を大胆にリメイクしていこうと思います。
小説家になろう以前に書き綴っていた「MASK OF HEART」「アクセラレータ」の二作品をサクサクパリパリアレンジしていきたいと思っています。
「MASK」の方は、構想が固まりつつありますが、「アクセラレータ」については未定です。
まあ、わずかな時間を見つけて、ちょくちょく書いていけたらと思います。
あと、懲りずに我が同人サークルであります「茶柱エクストリーム」がコミケ82に出展決定です。
12日(3日目)
東4ホール ユ 04b
茶柱エクストリーム
ですよー。
興味のある方は来てみて感じてください。
エヴィデイ・ヤングライフ・ジュネス!
では、また。
ただいま戻りました。天川榎です。
大分時が経ったようですが、まだまだいけそうです。
以前からやりたかった「MASK OF HEART」のリメイク作業を、やっていきたいかなとたくらんでいるわけですが、いかんせん、アノ作品はプロット無で突発的につくっていたので、一から作らなきゃならないわけですね。
夢の原点が色々詰まったここも、まだ生存していけそうです。
では、また。ごきげんよう。
お久ブルです。
とりあえず忙しいのが一段落したので、何か書こうかと。
Capsuleはもう少し待ってください。
もうバカな権力争いなんてやめて、細々と小説書きたいです。
では、また。
生き残りました。
現在復旧中。
暫くお待ちください。
茶柱ラジオ第三回
今回は三人構成です。あんまし自分の声が出てなかった……
インフルエンザに罹り、休んでる間に小説ネタが溜まりました。2月は思いっきり書くぞー
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明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ天川榎を宜しくお願い致します。新春の挨拶もこのくらいにして、1月3~6日と4日間かけてニトロプラスの「スマガ」をやってました。
まあ、表題の「人生リベンジADV」からして今までのストレスを吹っ飛ばしてくれるかなと期待して身銭切って購入。
そして、即日プレイ。驚嘆の嵐に包まれた。
まずシステム環境。要はメニュー画面なのだが、これがカッコイイ。作風は今までのハードボイルドのニトロ節と違ってマイルドなラブコメ。シナリオは、簡単にまとめると、魔女+αを愛の力で支え世界を救うみたいな話。
プレイ時間は上記の通りとっても長い。途中の共通ルートが結構鬱入ってるので心折れそうになるが、真エンドに辿り着いた誰しもが、予想の斜め上を行くハッピーエンドに度肝を抜かれること間違いなし。
もう3年前位の作品ですが、クリエイター達のが直に伝わる、爽快感抜群の作品です。機会があったらぜひプレイしてみては如何でしょうか?
てか新春早々エロゲーって、何やってんだろオレ……
まあ、良いリフレッシュになったから良しとしよう。
...続きを読む
茶柱エクストリームのラジオ第二弾。
宜しくお願いします。
あとコミケ出ます。
12/31(金) 三日目
西1ホール ゆ 43-b
です。
宜しくお願いします。
蟹人そろそろつくります
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